よい入門書、そして音楽心理学とは?
音楽心理学の類書は、専門的なトピックについて細かく書かれたものが多い中、 本書は必要最小限の説明を施し、できる限り多くのトピックに触れることができるように配慮されています。 音楽心理学の問題は、いい本がないということだけでなく、この分野自体が、 まだ未熟な段階にあるということが挙げられます。 その結果、そもそも音楽心理学とはどのような分野かと問われても、 実に曖昧なイメージしか持てないのが現実です。 それほど、音楽心理学は、雑多で無秩序な実験事実の集積になっているのです。 本書を手がかりに、そうした音楽心理学の実体に近づくのも一つの方法として好適でしょう。今までにはなかった、一般向けの音楽心理学としては、間違いなく 丁寧に書かれた良書であると思われます。
入門書として好適
音楽心理学に関する本を10冊近く集中的にチェックしてみたが、心理学徒以外が読むのであればこの本が突出して優れていると感じる。他の本は、生のままの心理学の専門用語や文体を使っていて取っつきにくかったり、あるいはクラシック音楽の五線譜をこれでもかと並べ立ててみたりという様子で、要するに他分野の研究者あるいは入門者への配慮が極端に不足しているのである。 その点、本書は文体も読みやすく、それでいて書誌情報は充実しているので、本書を入り口としてより深い学習に進んでいく事も可能であり、入門書として最適と思われる。本書と合わせてリタ・アイエロの『音楽の認知心理学』(特にニコラス・クックの論文は必読)を読むと、音楽を心理学的に研究するという事についての理解は、より深まるであろう。
題名では教材であることが分からない気がする。
学術書というよりも、教材と捉えていい。法律書もそうだが、学術書には各教授、独自の考えがあったり、すでに知っていることを想定した論の展開など、ある程度、基礎学習が進んだ人でないと読み込めないものが多い。音楽関連では、まず論文が少ない。また、難しい。これが難点だった。しかし、この本は音感がなかろうが、楽器が弾けなかろうが、楽譜が読めなかろうが、勉強になる。音と脳との関係の実験に於いて、主眼は楽譜や楽器ではないからだ。また、分かりやすい説明。ある時期、たいていの人が音楽に興味を持つがその際に読んでいると楽しいのではないかと思う。
音楽心理学に興味のある方には、何よりまずおすすめ。
音楽心理学は、関心が持たれている割にはきちんとした入門書はありませんでした。この本は、入門書としてだけでなく、最新の音楽心理学の動向を知る上でも、とても役に立つ本です。アヤシゲな音楽療法や超専門的な音楽心理学の本を読む前に、まずこれを読むべし!
北大路書房
音の世界の心理学 音楽の認知心理学 音楽と感情―音楽の感情価と聴取者の感情的反応に関する認知心理学的研究 音楽する脳 情動と音楽 (音楽と心はいかにして出会うのか) 國安愛子
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